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裁判の流れ 〜訴えの提起〜

通常訴訟は、個人間の紛争(主として財産権に関する)の解決を求めます。

例えば,貸金の返還,不動産の明渡し,人身損害に対する損害賠償を求め る訴えは,この類型に入ります。 この類型の訴訟は「通常訴訟」と呼ばれ,民事訴訟法に従って審理が行われます。


訴えの提起

訴えを提起するには,原告(自分)又はその訴訟代理人 (弁護士、司法書士)が裁判所に訴状を提出しなければなりません。 原告(自分)は,訴状に請求の趣旨及び原因を記載し,訴え提起の手数料 として, 法律で定められた金額の収入印紙を貼付することな どが必要となります。
 
 訴状書式1  訴状書式2  印紙早見表
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管轄

裁判所法及び民事訴訟法等が定めるところにより,土地管轄と事物管轄 を有する裁判所が管轄裁判所になります。

裁判所法によれば,最も下位の裁判所は簡易裁判所で,140万円以下 の請求に係る事件について管轄を有します。

その上の裁判所が地方裁判所で,一般的な第一審裁判所となります。

一方,民事訴訟法では,原告(自分)は,原則として,被告(貸金業者) の住所地を管轄する裁 判所に訴えを提起すべきこととされています。 もっとも,付加的な管轄裁判所も定められています。

例えば,不法行為に基づく損害賠償請求訴訟では,不法行為地を管轄する 裁判所に対しても訴えを提起することができますし,不動産に関する訴訟 では,問題となる不動産の所在地を管轄する裁判所にも訴えを提起するこ とができます。
 
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訴状の審査等

事件の配てんを受けた裁判官(合議体で審理される事件については裁判長) は訴状を審査し,形式的に不備がなければ,口頭弁論期日を指 定して当事 者を呼び出します。 訴状に不備があれば,裁判官(裁判長)は,原告に対して補正を命じます。
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口頭弁論

口頭弁論は,公開の法廷において,簡易裁判所では1人の裁判官により, 地方裁判所では1人の裁判官又は3人の裁判官の合議体によ り,高等裁 判所では原則として3人の裁判官の合議体により,それぞれ開かれます。

地方裁判所については,法律に特別の規定がない限り1人の裁判官が審理 することができます。

もっとも,簡易裁判所の裁判に対する控訴事件は合議体で審理しなければ なりませんし,事案が複雑困難である等の理由で合議体で審理する旨決定 された事件についても,合議体で審理することになります。

口頭弁論期日においては,裁判長の指揮の下に,公開の法廷で手続が行わ れます。

原,被告本人又はその訴訟代理人が出頭した上,事前に裁判所に提出した 準備書面に基づいて主張を述べ,主張を裏付けるための証拠を提出するこ とが要求されます。

被告が欠席した場合には,被告が答弁書等において原告の請求を争う意図 を明らかにしていない限り,被告に不利な内容の判決が言い渡される可能 性があります。

裁判長は,当事者の主張や立証に矛盾や不明確な点があれば,質問をした り,次回期日にその点を明らかにするよう準備することを命ずることがで きます。

この権限は釈明権と呼ばれます。
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争点及び証拠の整理手続

判断に必要な事実関係について当事者間に争いがあり,争点及び証拠の 整理を行う必要がある事件については,裁判所は,証人尋問等の証拠調 べを争点に絞って効率的かつ集中的に行えるように準備するため ,争点 及び証拠の整理手続を実施することができます。

この手続としては,準備的口頭弁論,弁論準備手続,書面による準備手続 の3種類があり,裁判所は,事件の性質や内容に応じて最も適切な手続を 選択することになります。

準備的口頭弁論は,公開の法廷において行われ,争点等の整理に必要なあ らゆる行為をすることができる点に特色があります。

弁論準備手続は,法廷以外の準備室等において行われる必ずしも公開を要 しない手続で,争点等の整理のために証人尋問をできないなどの制約があ りますが,一方の当事者が遠隔地に居住している場合などに は,電話会議 システムによって手続を進めることもできます。

書面による準備手続は,当事者が遠隔地に居住しているときなどに,両方 の当事者の出頭なしに準備書面の提出等により争点等を整理する手続で, 必要がある場合には電話会議システムにより争点等について協議すること ができます。

これらの手続を終了するに当たっては,裁判所と当事者との間で,その後 の証拠調べによって証明すべき事実を確認するものとされています。
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証拠調べ

口頭弁論又は争点及び証拠の整理手続において,当事者間の争点が明ら かになれば,その争点について判断するために,裁判所は書証の取調べ ,証人尋問,当事者尋問等の証拠調べの手続を行います。

証人は,原則として尋問を申し出た当事者が最初に尋問し,その後に相 手方が尋問することになっています。

裁判所は,通常は当事者が尋問を終えた後に尋問を行います。

もっとも,裁判長は,必要があると考えたときは,いつでも質問すること ができます。

証人等の尋問の順序,誘導尋問に対する制限その他 の尋問のルールは民 事訴訟法及び民事訴訟規則に定められていますが ,一般的に言って,英 米法に見られるような広範で厳格な証拠法則は ,日本の制度には存在し ません。

証拠能力に関する判断は裁判所の裁量にゆだねられていますが,裁判所は ,基本的に,職権で証拠調べをすることはできません。

職権で行うことができる当事者尋問はその例外です。

証拠調べの結果から事実の存否を認定する事実認定の過程では,証拠の証 明力の評価は,裁判所の裁量にゆだねられています。
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口頭弁論調書

口頭弁論については,立ち会った裁判所書記官が調書を作成しなけ ればなりません。

調書には,法廷で行われた証人,鑑定人,当事者本人の陳述のほか ,当事者の主張や証拠の提出を記載し,裁判所書記官が記名押印し ,裁判長が認印をしなければなりません。

また,裁判所には裁判所速記官がおり,裁判所書記官とともに口頭 弁論に立ち会うことがあります。

裁判所速記官の作成する速記録は,調書の一部として引用されます。

訴状の提出により開始された訴訟手続は,様々な事由に基づき終了 します。

最も典型的な手続の終了事由は,言うまでもなく判決です。

裁判所が,証拠調べを行った後,原告の請求が認められる,又は認 められないとの心証を得たときは,口頭弁論を終結して判断を下します。

判断は,法廷において,原則として判決書の原本に基づいて言い渡されます。

判決書には,主文,当事者の主張,判断の理由等が記載され,言渡 し後速やかに当事者双方に送達されます。

ただし,被告が原告の主張した事実を争わない場合など,実質的に 争いがない事件については,判決書の原本に基づかない簡易な言渡 しが可能であり,この場合には,判決書の作成に代えて,裁判所書 記官が主文等を記載した調書を作成することになります。

言い渡された判決は,仮執行宣言が付された場合を除き,確定する まで強制執行の手続をとることはできません。

訴訟手続は,訴えの取下げ,請求の放棄・認諾,裁判上の和解によ っても終了します。

これらの中で,訴えの取下げは基本的に将来の再訴禁止の効力を生 じませんが,その他のものについては,これらの事項を記載した調 書は確定判決と同一の効力を有することになります。
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